全体的には、横浜にあるズーラシアの雰囲気、動物達が生息する環境を再現しつつ、出来るだけ網や鉄柵を少なくしているのが印象的。以前訪れた時、まだ全てが仮の放飼場で動物が可愛そうなぐらい狭い場所で生活していましたが、リニューアル後は、動物達がのびのびと暮らしているのが分かります。
比較的「猿系」が多い動物園なのですが、大きな木々が立ち並ぶ放飼場では下を見ていると何処にも見つからない猿達が、高い木の上の方で休んでいたり、上手に飛び移る姿を観察出来、その身体能力に驚いて口をぽかんと空けて見つめるお客様が続出。放飼場の周りを池や水で囲んだり、少し深い堀・モートを使って区切っているので高い柵などは比較的少なくて見やすいのも嬉しい。
所々にある小川に掛る小さな吊り橋や、飼育小屋や作業小屋なども環境に溶け込む様に、少し古びた味のある造形になっている、数ヶ月前に完成したとは思えないクオリティなのだ。
カピバラの生活している南米をイメージした放飼場は、ブラジル・パンタナールの一部を切り取った様な風景。目測だが約18mぐらいの正方形の放飼場に、真ん中を直径6mぐらいの丸く島を囲むようにぐるり一周する川幅3〜5mと変化に飛んだ小川が取り巻く、その小川は常にぐるぐると流れるプールの様に流れており大量のホテイアオイが浮かんでいる。その川の外周が陸地としての放飼場で土と雑草が平らではなく高低差が造られ平らな部分と丘がある。
この放飼場、色々と工夫が詰め込まれており、中央にある島には大きな木が生えており、そこから隣接している小屋にロープが伸びている。このロープをつたい同居しているジェフロイクモザルがカピバラと同居している。サルは、島の木の上にいる事が多いが、カピバラが島に上陸し寛いでいると、ちょっかいを出しにくる事もあって面白い。
木々の周りには低い木と草などで約50cmのブッシュを再現。日中の暑い時間帯には仔カピバラ達は草の間に隠れながら、日陰で休憩している姿を見る事が出来る、野生のカピバラが日中は日陰で休む姿と一緒の光景。
そして、印象的なのは小川だ。結構な速さで水が流れており、お客さんからは「流れるプール」と言われていぐらいの勢いだ。その中にはホテイアオイが大量に浮かんでいる。疑問に思うのは、なんでこんなに維持出来るのか?他の動物園でも水辺にホテイアオイを浮かべる事もあるが、ほとんどは餌となり絶滅する運命である。