「野生のカピバラに会いに」
2008年6月に東京書籍より写真集「カピバラ」を出版しました。カピバラの生態情報が少ない当時は巻末に執筆する解説に苦労しました。書籍や文献、新聞や雑誌まで読み漁り不明瞭な点や飼育下のことを飼育係さんにお聞きして自分でまとめました。もしかしたら写真撮影よりも大変だったかもしれません。
そして写真集を出版したことにより世間では「カピバラに詳しい人」という印象によりテレビやラジオに出演させて頂きました。最初の頃は「日本で一番カピバラを知っている」と自負していたのですが、時間が経つにつれ少し不安が。自分の目で見たことがあるカピバラは国内の飼育下だけ、野生での様子は文献や人づてのお話が情報源、果たして合っているのか不安になって来ました。
そんな時、カピバラフェスタで講演させて頂いた御縁で南米にて野生のカピバラを見た経験があるとお聞きしていた園長に「野生のカピバラを見たいのですが・・・」的な相談をさせて頂いたのです。会話をしている内に、一緒に行きましょう!と、ミラクルな運びとなり2012年9月に約1週間ブラジルのパンタナール湿原に、はじめて野生のカピバラを観察しに行きました。
沢山の発見や驚きがあったのですが、それは別の頁にまとめます。その後、野生のカピバラを更に観察・撮影を2018年7月、2019年5月と7月、2022年7月と2023年7月、計6回90日間パンタナールに滞在しました。それでも、まだまだ本当の生態は分からないことだらけです。